エンジニアが事業にオーナーシップを持つべき理由「プログラミングは手段の一つ」 株式会社CAMPFIRE 中川 峰志 | 急成長企業を支援してきたマーケティング会社が厳選した急成長企業と出会える場所「LEAPLACE」 - LEAPLACE
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エンジニアが事業にオーナーシップを持つべき理由「プログラミングは手段の一つ」
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エンジニアが事業にオーナーシップを持つべき理由「プログラミングは手段の一つ」
株式会社CAMPFIRE
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学生ベンチャー、Google、div、Increments――様々な企業でエンジニアとしてのキャリアを重ねてきた中川峰志(なかがわたかし)氏。 個人でも数々のサービス開発を手がけ、現在はCAMPFIREの執行役員CTOとして人事や技術選定などに関わっています。 中川氏は、なぜいちエンジニアから事業にコミットするポジションを選択したのでしょうか。 そこには「ユーザーの人生を変えるサービスをつくりたい」という想いがありました。

企画から開発、プロモーションまでやって気づいた「プログラミングはただの手段」

—— 中川さんがエンジニアになったきっかけを教えてください。

大学 1 年までずっとトライアスロンをやっていたんですけど、全国大会のあとで部活が 2 ヶ月間休みになって、やることがなかったんです。そんなときにプログラミングをやっている友人の話を聞いて興味を持って、京都の学生ベンチャーに入りました。

負けず嫌いだったので半年間は泊まり込みで勉強して。1 年後には一通りのことができるようになり、自分たちでサービスをつくるようになったんです。そのときつくった『本の書き出し』がネットで大きく話題になりました。

<画像引用:[マイナビブックス]( https://book.mynavi.jp/wd/webfont/2013/ )>

おかげで、ねとらぼで取り上げていただいたり、個人でも取材をされたり、Web フォントデザインアワード 2013 でグランプリをいただくことができました。サービスをつくる楽しさに目覚めたのはそれがきっかけです。ダイレクトな反応が楽しかったんです。

そのあと Google でインターンをしていたんですけど、そのときも副業で友だちとサービスを作っていて。「誰に」「何を」届けるかという企画から開発、デザイン、リリース、プロモーションまで一貫して手がけていました。

—— サービス開発に一貫して携わることで気づきはありましたか?

プログラミングは手段の一つ、ということですね。ユーザーが求めているのは便利な機能や嬉しい体験であって、綺麗なコードを求めているわけではない。プログラミングは、ユーザーに喜んでもらうための手段の 1 つなわけです。

だからこそプロダクトに関わる以上、エンジニアであればただ要件を満たすコードだけを書いていればいい、というのは違うなと。ユーザー体験を良くする、プロダクトを良くするためにエンジニアとして必要なことは何かと考えることはもちろん、必要であればデザインもやるし、ユーザーヒアリングもするくらい、プロダクトに対してオーナーシップを持って取り組むほうがやりがいがあるし、楽しいなと思うようになりました。

価値あるプロダクトをユーザーに届けるためには、個々にオーナーシップがないと難しい

—— CAMPFIRE にジョインしてからオーナーシップを発揮して取り組んだ仕事はありますか?

実は僕が入社してからミスマッチでエンジニアが次々と辞めてしまった時期がありました。それは辞めてしまった人たちのスキル不足ではなく、コミュニケーション不足やスキル的なミスマッチが原因でした。

みんな忙しくてエンジニアでない人が面接をしたりしていたので仕方なかったのですが、チームでパフォーマンスを発揮しなければいいプロダクトはつくれない。

そこで、僕を含めたエンジニア数名が主体となって技術戦略室というのを立ち上げました。何をやる部署かというと、主に評価制度や採用の強化です。とくに採用は現場のエンジニアからも「ミスマッチをなくしてほしい」という声があがっていたので、実際に僕が一次面接を担当することを申し出ました。

ただ、どんなエンジニアが自社に向いているかそのときはまだ明確になっていなかった。そこで、深い専門知識がありつつ周りの分野も分かるという**「T 字型人材であるか」「オーナーシップを持っているか」「情報をオープンにできるか」「仕組み化を推し進められるか」**という 4 つの指標を立てて、ひとつの判断基準にすることを決めたんです。

とくに「オーナーシップ」は重要で。CAMPFIRE のようなフェーズのプロダクトを伸ばすには、何でもやります!というスタンスの人じゃないと、事業は成長しないし、ユーザーにとって価値のあるプロダクトにすることは難しいからです。

—— 組織的な業務に積極的に取り組むようになった理由はあるのでしょうか?

これまで一人で活動してきたので、プロダクトをつくること自体は自分一人でもできると思っています。それでもなぜ会社に属しているかというと、個人ではできない仕事ができるし、チームで団結した方が高いパフォーマンスが発揮できると思ったからです。

チームでパフォーマンスが出ないなら、チームとして成果を出せる仕組みを考えた方が絶対いいはず。そのためには技術的な基盤づくりが必要だと思ったんです。

「専門分野しかやりません」というスタンスでは、他のメンバーとのコラボワークができない

—— 先ほどエンジニア採用で重視している 4 つの指標のお話がありましたが、その 4 つが重要な理由を教えてください。

まず T 字型ですが、CAMPFIRE にはフロントエンドをやりつつサーバーサイドもやって、ユーザーヒアリングもやるようなエンジニアが多いんですね。みんながみんな得意分野を持ってはいるけど、「専門分野しかやりません」みたいなスタンスだと他の人とコラボした仕事ができないんです。

次に情報のオープン化と仕組み化ですが、これはエンジニアにとって当たり前のことかもしれません。例えば、情報のオープン化でいうと、ドキュメントをちゃんと残しておかないと後で作業する人が迷ってしまうという理由からです。

Slack にはパブリックとプライベートとダイレクトの 3 つのチャンネルがありますが、CAMPFIRE ではプライベートとダイレクトではなく、全部パブリックでコミュニケーションをすることを推進しています。その方が情報が偏らずに仕事がしやすいと思うので。

オーナーシップが重要な理由は、先ほどの話にも通じますがユーザーに価値を届けるためです。「ここまでやったからあとはよろしく」ではなく、「自分が届けたい価値に対してやれることは全てやります」という当事者意識がないと、いいサービスは生まれません。

例えば、事業の KPI にコミットする人と単純に 1 つの機能にコミットする人でいうと、前者の方が価値が高い。どちらが良い悪いというわけではないですが、プロダクト全体の改善に貢献してくれる人の方が CAMPFIRE にはマッチすると思います。

CAMPFIRE のエンジニアは、プロジェクトを立ち上げる方、プロジェクトを応援する方、社内のカスタマーサポートやセールスといったユーザーの負を技術で解決できます。ユーザーと距離も近いし会話もできる。事業の KPI を追いながらサービスのグロースに貢献したい僕にとっては、挑戦しがいのあるフィールドです。

—— 最後に中川さんがエンジニアリングを通して成し遂げたいことを教えてください。

最終的には一人でも多くの人の人生がよくなるようなサービスをつくりたいと思っています。事業を大きくすればするほどユーザーに与えるインパクトも大きくなると思うので、これからも CAMPFIRE のグロースに尽力していきたいですね。そのために新しい技術が必要になれば積極的に取り入れていきたいと思っています。

CAMPFIRE は国内最大級のクラウドファンディングのサービスですが、改善点はまだまだあります。1 つの課題を潰すだけで、数字が劇的に伸びるようなポテンシャルを秘めている。そういった取り組みがいのある課題にチームの一員としてコミットできることが、一番魅力に感じていることです。いちエンジニアとしてではなく事業にコミットしてサービスを伸ばす立場として、今後もひとつずつ課題の解決に取り組んでいきたいと思います。

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