2010年、新卒でサイバーエージェントに入社した三木佑太氏。 入社早々にグループ会社であるサイバー・バズへの配属を希望し、2016年4年には最年少で同社の執行役員に就任しました。 そんな三木氏ですが、入社当時は会社の方針に興味のない「問題児」だったそうです。 それにも関わらず、なぜ三木氏は誰よりも早く経営陣に名を連ねることができたのでしょうか、その理由に迫ります。

経営者の父の「お前は俺のようになれない」という口癖が、悔しかった

—— なぜサイバーエージェントに入ろうと思ったのでしょうか?

「業界 No.1」「ベンチャー」という軸に絞って就活では会社を選びました。 どちらも満たしていたのがサイバーエージェントだったんです。伸びしろにも魅力を感じていたし、業界 No.1 の理由も知りたかった。 あと、当時サイバーエージェントで 1 次面接を担当していた方が就活で内定をもらった会社と、僕が就活で受けた会社がたまたま全部同じだったんです。 「自分と同じような人がいる」というのも、大きかったですね。あと、裁量が大きく、自分で決断できるところにも魅力を感じました。

—— しかし、入社早々にサイバー・バズへの配属を希望されたのはなぜでしょうか?

そのときは直感で決めました(笑)。というのも、新しい市場だから自分でも No.1 になれるんじゃないかと思ったんですね。 リスティングや SEO とかはすでに多くの実績がありトップ層がいる領域でしたが、SNS マーケティングは明確な No1 が不在の領域。 「ここしかないな」と思い手をあげました。

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—— そういった「No.1」にこだわり続ける理由はなにかあるのでしょうか?

父の影響が大きくありますね。いくつかの会社を経営しており、学校の理事長をやったりしている経営者です。 「お前は俺のようにはなれない」というのが父の口癖で。「いつか見返してやりたい」という気持ちがあったんです。 あまり認識していませんでしたが、父に負けたくないという気持ちがずっとあったのだと思います。

そういった父の影響もあって、昔から負けず嫌いの性格で。幼稚園の頃からゲームで負けると泣いていましたし、高校の部活も、 当初は入る予定ではなかったのですが、全国大会に出場するような強豪チームであったため、結局入部することにしました。

そんな性格だからこそ、「ここまでやれば十分」といった気持ちで仕事に取り組むのではなく、様々なことにチャレンジしたいという思いもあり、チャレンジするなら No.1 を目指すのが当たり前だと思っていたことが、というのが大きいかなと思います。

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会社の方針に違和感を感じた下積み時代、「同じお客様に上司とコンペで対決することもありました(笑)」

—— 入社 1 年目はどんなお仕事からスタートしたのでしょうか?

バズマーケティングの企画営業をやっていました。企画営業というと響きはいいですが、要はテレアポですね。1 年目は自分でリストを作って好きな企業にひたすら電話をかけていました。2 年目からはお客様が増えてきたのでテレアポはやらなくなりましたけど、最初はけっこう泥臭かったです(笑)。

営業として成果は人並みくらいで、昇格は周りに比べると遅かったです。早い人だと半年から 1 年でシニアプランナーになるんですけど、僕は 2 年近くかかりました。マネージャーになったのも 3 年目の終わりごろなので、早くはなかったんです。最短 1 年でマネージャーになる人もいるので。

なぜ昇格が遅かったのかというと、僕が入社してから半年くらいの頃に、社長を含めた経営陣が全員入れ替わり今までの業態から大きく変化がありました。簡単にいうとインフルエンサーマーケティングに注力する方針になったんですね。

急な方向転換に正直ついていけないこともあり、自分のやりたい広告のプランニングや企画の方に注力をしていました。 他の人がメディアのセールスを頑張っているときも、僕はずっと総合提案のプランニングをしていたので、よく怒られていました(笑)。上司からすると扱いにくかっただろうなと思いますね。

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—— なぜそこまでプランニングにこだわったのでしょうか?

お客様が求めているものが当社で注力しているプロダクトならいいんですけど、すべてがそうじゃないこともあったんです。お客様の目的はあくまで商品認知や売上アップ。特定のメディアを活用することはイチ手段にすぎません。

なので、お客様が設定するゴールを達成する最適な手段が注力プロダクトでない場合、たとえ会社の方針と違ったとしても、リスティングや SEO といった施策も提案していました。

今振り返れば、未熟だなと思うところも多々あるんですが、プロダクトを無理やり提案するより、僕はお客様のニーズに答える提案がしたいという青臭い感じですね(笑)。

自分の考えは間違っていないという自信があったからこそ、上司と喧嘩したことも多々ありました。上司が良いと思うものと、自分の良いと思うものが違ったときは、「僕は絶対こっちの方がいいと思います」と譲らなかったこともあります。結局、その時は 2 つとも提案書を持っていき、お客様に選んでもらおうと、社内コンペ対決をすることになったのですが(笑)。

そうやってプランニングにこだわっていった結果、プランニングについての書籍執筆のお話をいただけたり、セミナー登壇やコラム執筆などといった個人活動も増えていき、「業界で 1 番ソーシャルとか口コミに詳しい人になってほしい」といった期待感を社内からも抱いてもらえるようになりました。

「メンバーを活かすも殺すも上司次第」顧客志向を実現するためのチームマネジメントとは?

—— 局長になってから苦労されたことはありますか?

マネージャー時代は部下が 2〜3 名だったからまだ意思の疎通がうまくできていました。ただ、局長になってからは部下が 10 名規模になり、メンバー 1 人ひとりのタイプも得意なこともバラバラなので、自分のメッセージをうまく下に伝えられなかったんです。

マネージャー時代に見ていたメンバーとは意思の疎通ができるけど、新しいメンバーとは考えていることにギャップがありました。それを埋めるために対話を増やさないといけないんですが、それがまた難しい。話せば解決することもあれば、そうじゃないこともあって。そのなんともならない感じにやきもきしました。

例えば、営業スタイル一つとっても、僕はメディアに捉われないプランニングによる提案で、クライアントの課題を解決したかったけど、他のメンバーはまだ知識がなくメディアセールスに特化したいと思っている。どちらも間違いじゃないんですが、クライアントをなんとかしてあげたいという気持ちが先行し、多くのことを求めることもよくありました。

ただ大事なことは、プランニングやメディアセールスというやり方ではなく、お客様との向き合い方にあると気づけたタイミングがあり、そこから軌道修正していきました。どうしても目的でない手段の部分の議論が多くなると間違った方向にいきがちなので、今でも何かうまくいかないときは、なんのためにという点に立ち戻るようにしています。ただ口で伝えるだけでは、なかなか本質的な部分は伝わらないので、実際に往訪に同行させて背中で見せて実感してもらえるよう努力しました。

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—— 他にメンバー育成で苦労されたことはありますか?

僕自身こだわりも強く、放置されたいタイプ。仕事も自分で勝手に進めてしまうことが多いんですけど、みんながみんなそうじゃないことに気づいて。例えば、「休日まで勉強するのは億劫」「業務時間外にセミナーに行きたくない」とかですね。メンバー全員が自分と同じようなモチベーションで働いているわけではない。そこを頭ではわかっていたのですが、理解はできていなかったように思います。

志向が違うメンバーを 1 つのメッセージで動かすことは、本当に難しい。やはり対話を増やしていくしかないと思って、1on1 でメンバーの生い立ちからヒアリングして、「何がその子の原動力になっているのか」をしっかり把握するように努めました。

例えば、ある社員の A くんは、仕事はできるんですけど、自分をうまく表現できないタイプ。こちらでゴールを設定してあげるとうまく走るんですが、ふわっとした指示だと戸惑ってしまう。

でも、「この領域で 1 番になってよ」と具体的に伝えると、自主的にのめり込んでいくんです。そんな彼の特性を考えた上で、専門領域に特化した部署に異動させたんですね。そうしたら、すごく高いパフォーマンスを発揮するようになった。

結局、メンバーのパフォーマンスを生かすも殺すも上司次第だと思っていて、それが顧客のためになるのなら、意見や価値観が食い違っていてもきちんとメンバーと向き合って会話していくしかないと思っています。

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—— 最後に、あらためて三木さんは「プランニング」をどういう仕事だとお考えですか?

僕たちが普段提供しているクチコミマーケティングの本質はバズらせることではなく、商品の価値を正しく伝えること。本当に知ってほしい人に正しい情報を正しく伝えていることがクチコミの本当の価値です。

しかし、消費者と商品の間にはズレがあって、そのギャップを埋めるプランニングが僕たちの仕事だと思っています。

すでに情報は世の中にあふれていますが、この流れはさらに加速します。その際に生活者と商品やブランドをつなぐお手伝いができればよいと思っています。

ウェブマーケティングはまだまだ刈り取りということが横行していますが、「あてにいく」「狩りにいく」という考え方では生活者まで届かないことも多くあると思います。 クチコミは「見つけてもらう」「伝えてもらう」という考え方。「私と同じように悩んでいる人に正しい情報を伝えたい」という感覚が僕は好きですし、 このあいまいで、何とも言えない感覚を引き出すことがこの仕事の醍醐味だと思っています。

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