Web制作に携わる人に欠かせないのは、広い視野と柔軟な考え方、そしてユーザー視点だ。それらは、リアルな世界のユーザーと数回触れたからといって身につくものでもない。しかし、日常的に多様な職種・地域・個性を持つ人たちと関わりを持てる場所がある。Webサイト制作を中心に10の事業を展開するLIGだ。オンラインからオフラインまで、幅広い事業があることで「同僚に料理人や画家がいる」状態を作り出しているという。多様な職種・価値観の人が集まっていることで、どのような仕事ができるのか。Web事業部マネージャーの水野怜美氏に話を聞いた。

Web だけじゃない。リアルや他事業ともコラボする

—— LIG はゲストハウスや飲食、教育、地方創生、アートなどさまざまな事業を展開しているため、通常の Web 制作会社では考えられないような多様な同僚がいると伺いました。

英会話の先生、ゲストハウスの支配人、料理人などいろんな職種の人がいますし、フィリピンのセブ島にも拠点があるので、国籍も多様。それがみんな同僚という面白い環境です。

Web サイト制作部門にいるのは、Web ディレクターとデザイナー、フロントエンドエンジニア、バックエンドエンジニアの 4 職種なのですが、クライアントから「メディアサイト制作と記事コンテンツ制作」をセットで依頼されることが多いので、メディア制作部門のエディターやメディアディレクターともよく関わります。サイトの英語表記に関しては教育事業部の英会話の先生にチェックしてもらうことも。

以前、Web 事業部で自社の特設サイトを作ったのですが、DJ 活動をしている人事にサイト内で流す音源を作ってもらい、芸能活動をしている管理部のメンバーにナレーションを入れてもらいました。また、アート事業の画家に絵を描いてもらって Web サイトで使用したこともあります。

職種に関係なく、その人が持つ個性でコラボレーションをすることは多いです。

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事業部単位での関わりも多く、たとえば、イベントスペースを運営している部署に集客やイベントノウハウを共有してもらったりすることもあります。

共有してもらうだけでなく、教育事業部が運営する Web クリエイタースクールでコースに通う生徒さんに、Web 事業部のメンバーが講師として講義をするというコラボもありますね。

しかも国内は東京だけでなく長野や京都、広島、大分、長崎などにも拠点があるので、いろんな土地に行って価値観や考え方の違ういろんな人とコミュニケーションが取れますし、チームの合宿所として利用することも可能です。

また、長野にはサテライトオフィスがあり、私もたまに合宿などで利用するのですが、近くに LIG が運営するゲストハウスやレストランなどもあるので、オフィスで仕事を終えてゲストハウスに戻ると、いろんな人と交流できるのは楽しいです。

多様な価値観を持つ同僚がいるからこそ、ユーザー視点が持てる

—— 日常的にさまざまな価値観や考え方に触れる環境にいると、広い視野を持って Web 制作に取り組めると思います。実際、影響はありますか?

ユーザー視点を持つ、というとても重要な要素につながっています。

どうしても Web ディレクターやデザイナー、エンジニアは、外に出ても同じ職種のコミュニティに属しがちです。もちろん、横のつながりは大切ですし、スキルアップには欠かせませんが、それだけだと考えが凝り固まってしまいます。

Web 制作を依頼いただくお客様やその先にいるエンドユーザーは、Web の専門家ではありません。だから、どんな人が使うのかを理解し、その人が使いやすい設計にする必要があるんです。

たとえば、長野のゲストハウスで働いている同僚が、紙に手書きで何かを整理している様子を見ると「そうか、こういう人に Web サービスが必要で、この人たちが直感的に使えるモノを作らないといけないのか」と、気づくことができる。

多様な価値観に触れることで、世の中には Web に詳しくない人が圧倒的に多いことを理解するのは、本当に大切なことだと思っています。

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だから、LIG ブログ(自社のコーポレートサイト兼オウンドメディア)をリニューアルしたときも Web 事業部の制作陣だけで考えずに、全事業部のいろんな職種の人に意見を聞きました。Web から遠い人とも常に会話できることで、会社全体が価値観や考え方に柔軟性を持てるようになっていると思います。

それから、作り手が共感しづらい・触れたことのない領域の場合、自分たちだけで設計するのは難しい。だけど、多様な職種やスキルを持った人がいる LIG では、たとえばアクティビティに関するサイトを作るなら、実際にゲストハウスでインストラクターをしているメンバーに話を聞けます。

こうした環境が、Web サイト制作部門に柔軟で多様な価値観を持たせてくれていると思っています。

人の「個性」を大切にするカルチャー

—— まさに、生き物のような組織ですね。職種を越えて、個々の得意なことを生かしながら共創されている。

業務や職種だけで人を判断せず、「個性」を見るカルチャーが LIG には根付いています。先ほどの DJ 人事も、「人事だから Web 制作に関係ない」のではなく、「音源を作れるあの人と組もう」と考えたメンバーがアサインしました。

フィリピンの拠点には約 70 名が在籍しているのですが、彼ら彼女らを「外国人」「フィリピン人」として一括りにするのではなく、それぞれの性格や得意不得意、好きなことなどを知った上で、一緒に仕事をするようにしています。

—— 人を大切にする組織・カルチャーですね。その考え方はマネジメントにも反映されているのでしょうか?

現在 Web サイト制作部門は、Web ディレクターとエンジニア、デザイナーから成る 3〜7 名のチームが 10 チームほどあり、私はそのうちの 2 チーム 13 名をマネジメントしています。内訳は 10 名が日本人で 3 名はセブ島にいるフィリピン人です。

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大事にしているのは、個としっかりと向き合うこと。1on1 の時間を大切にして、その人がやりたいことを実現させるために必要となる案件や、その人に合った案件を優先的に渡せるようにしています。受託制作でもトップダウンで案件を渡すスタイルではないですね。

そして、私がすべてを決めて指示するのではなく、基本的には任せるようにしています。もちろん、経験が浅いメンバーの場合、最初に道しるべを作ってアドバイスや後押しはしますが、自分で考えて動ける人になってもらうために任せるスタンスを取っています。

メンバーと向き合い、自立を促す

—— 異なる職種のメンバーをマネジメントされているのですか?

スキル面などに関しては、チームとは別に職種でわかれた「ユニット」で共有してもらっています。これは、スキル向上と制作物の品質担保、キャリア育成の場。デザイナーユニットならレビュー会をしたり、Web ディレクターユニットならプロジェクトの共有会をしたり。

マネージャーはそれ以外のお金やリソースの管理やメンバーのメンタル面を含めたマネジメントをしています。

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ただ、私はマネージャーと兼務して Web ディレクターとして案件も持っているので、メンバーと向き合う時間が少なくなってしまうことが課題で。

だから、いつでも捕まえられる“暇な人”になるために、どんどん仕事を振って任せつつ、自分のダメなところを見せてメンバーの自立を促しています。

—— ダメなところ?

私はメンバーから“お母さん”と呼ばれているので、その“お母さん”がダメなところを見せたら「自分がしっかりしなきゃ」と思いますよね(笑)。

自立した集団になれば、もっとやりたいことができるようになるし、リーダーやマネージャーになれば、大きな裁量権を渡されるので、もっと好きにやらせてもらえるようになります。

特にマネージャーは、小さな会社を任されている感覚になるほどの裁量権があるからこそ、一人ひとりを大事にして「LIG にいて良かった」と思ってもらえるような価値を提供したいと思っています。

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