コンサルタントとしてアクセンチュア株式会社で企業の課題を解決してきた須田允氏。 Web事業の統括として株式会社LIGに入社したのは2016年6月です。 LIGは2007年にWeb制作会社として創業し、現在は飲食・教育・地方創生・アートなど幅広く事業展開をおこなっています。 2012年に「公式サイトをメディア化する」という方針のもと、業界内でもいち早くオウンドメディア『LIGブログ』をオープン。 そのコンテンツの面白さで一気に話題になりました。 魅力的なクリエイティブやコンテンツで知られるLIGに、 コンサルタントとして培った異業種ならではの視点や手法が融合することで、さまざまな化学変化が起こっています。

人を惹き付ける表現力に、確実な「効果」を叩きだすソリューションもプラスしたい

—— コンサルタントでキャリアを積んだ須田さんが、クリエイティブに強い LIG にジョインすることになったのは、なぜでしょうか。須田さんに課せられた課題とは何だったのですか?

LIG は Web 制作領域において、すでにさまざまなデザインアワードを受賞するなどクリエイティブで高い評価を受けている会社です。僕が入社した当時も、LIG ブログが盛り上がっていて、面白いコンテンツが次々にバズったりして知名度アップに貢献していました。その LIG で僕に課せられた使命は、売上のトップラインを現状よりさらに上げるということでした。

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—— 飲食、教育などどんどん事業分野を拡大途上にある LIG に、まったく異業種のコンサル業界の視点をプラスすることで、さらなる成長を狙おうという意図ですね。入社時に、須田さんが課題だと感じたのはどのようなことでしたか。

組織全体のリソースを、もっと最適化できるのではないかと思いました。入社当時、僕が見ていたのは、LIG ブログを運営するメディア事業部と経営企画室の 2 つですが、当時は LIG ブログ運営に、非常に多くのメンバーがかかわっていました。

LIG ブログは創業初期においては、知名度アップという非常に重要な役割がありました。しかし、すでに業界内でも一定の評価を得た今、LIG ブログは次の課題に集中する時期だと思ったんです。

そこで具体的な案件受注につながる問い合わせ数のアップを狙う、メディア改善チームを再編成しました。

—— クリエイティブという視点では、何か新たな取り組みはどのようなものがありましたか。

すでにクリエイティブには定評があるので、LIG は今、より明確な「効果」を追い求めるステージに差し掛かっていると考えました。つまりマーケティング視点を強め、デジタル領域においてお客様の課題を解決し、確実に成果をあげる会社だという新たな LIG の顔をつくっていきたいと思ったんです。

そこで「クリエイティブに特化したデザイン」「マーケティングに特化したデザイン」「サービス(システム)開発」のクリエイティブの特性に沿って、部内を 3 つのグループに分けました。たとえば、「クリエイティブ」は感性や創造性を重視したデザイン。「マーケティング」は KGI/KPI を具体的に向上させるためのデザイン。「システム開発」は、よりサービス品質や業務効率を活性化させる UI がどんなものかなどを考えるグループです。

このグループを僕は“柱(指針)”と呼んで、ゆるやかな区分けにし、メンバーの行き来もしやすくしています。だからクリエイティブ領域にいるメンバーが自分のキャリアで伸び悩んだときに、マーケティングやシステム開発など違う“柱”で自分の能力を試すなど、キャリアチェンジも容易にできます。個々人が自分の進むべき道を明確にできるようになってほしいという想いもあったからです。

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クリエイティブをロジカルに説明する。ソリューションを提案できる人であれ

—— 100 名前後いるクリエイターの方たちに、須田さんが徹底させていることは何かありますか。

「説明責任」です。クリエイティブをロジカルに説明することが重要だと、僕は考えています。なぜその色を選んだのか、なぜその動きになったのか、クリエイターは必ず理由をもっています。それを、お客様に言葉で伝えることも大切だと思うんですね。

また常に「お客様の課題は何か」「原因はあっているか」「ソリューションは何か」なども徹底的にたずねます。それは、お客様から「こんなものを作りたい」と明確な要望があっても、それが本質的な課題解決につながっていないケースもあるからです。

たとえば「EC サイトの売上を上げたいから、ロゴを変えたい」とお客様が言っても、根本的な課題が、ボタンの配置などのサイトデザインにあると考えれば、「ロゴではなく、そこを改善するべきだ」と提案してもよいと思うんです。深く考え課題を再定義し、最適解を提示することが、僕らの付加価値になると思います。そこは自分たちの経験値からくる知見を使って、自信をもって提案してほしい。それが、お客様にとっても「またこの人に仕事を依頼したい」という気持ちにつながると思っています。

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「論理だけで人は動かない」コンサル出身の須田氏がクリエイティブに思いを寄せる理由

—— 須田さんは 2018 年 2 月に開催されたクリエイティブ・カンファレンス『CREATIVE X』に、株式会社 DMM.com ラボの CDO 赤坂幸雄さんと登壇されましたが、きっかけは何だったのですか。

一昨年の夏に紹介された赤坂さんと意気投合し「日本のクリエイティブを底上げするイベントを一緒にやろう!」となったのがきっかけです。著名なクリエイターの方々を招いて、クリエイティブを徹底的にディスカッションしようと。

正直なところ僕はコンサル上がりなので、クリエイティブについては、技術的な細かい部分はやはりわからないのでアドバイスもできないんですね。だから、申し訳ない気持ちは強いです。

その分、社外の著名なデザイナーの方々とメンバーがコミュニケーションできる機会を増やして担保したいとも考えているし、自分自身がどんどんクリエイティブの世界に興味を持って、もっと知りたいと思っているんです。そんな想いも根底にはあります。

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—— 実際にカンファレンスを通じて、社内ではどんな変化がありましたか。

僕はもともとロジックよりの人間なので、最初皆にとっては怖い印象だったんじゃないかなと思います(笑)。でも、みんな話しかけてくれるようになりました。イベントを一緒にやろうよ!と皆に声をかけて、会場準備などをも一緒にしていくうちに、イメージが変わったのかもしれません。コミュニケーションの循環がよくなったのはうれしいですね。

—— いろいろな新しい施策をされていますが、須田さんがクリエイティブに思いを寄せる理由は、どのようなものがあるのでしょうか。

論理だけでは人は動かない、そう思っています。どれだけ論理武装して戦略考えたとしても、100%その通りになることは非常に難しいです。何故かと言うと、物事は感情のないロボットで生産されているわけではなく、感情のある人間で生産されているから。そんな人々を動かすには、人々の感情や感性を動かすクリエイティブという力が絶対に必要となるんですね。だからクリエイティブは、ビジネスにとっても大事なものだと思っています。

「今いるメンバーと一緒にどう作っていくか」LIG で得たのは“仲間”という想い

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—— 須田さんが LIG で影響を受けて変わったことはありますか。

たくさんありますよ。なかでも大きいのは“仲間意識”が強くなったことかもしれません。

コンサルの世界は実力主義で、成果を 3 日で出せなかったらプロジェクトから外されるのが普通。人を“リプレイス”するのなんて当たり前なんです。簡単に外される場面はよく見たし、僕自身も「この人では成果は出せない。一緒にやりたくない」と判断したら、すぐリプレイスする。それができるリソースプールもたくさんあるので、今思えば非情なくらいどんどん変えるんです。

でも LIG では“今いるこのメンバー”と一緒にどう作っていくかを徹底して考えるようになりました。一人ひとりに「どうやって成長してもらうか」「どう学んで次につなげてもらうか」、そして「彼ら彼女らが目指したい方向をどうすれば実現できるか」。

前職では事業やプロジェクトの達成だけが目的になっていたのですが、今はこの事業やプロジェクトによって一人ひとりの成長やキャリアアップという視点を重視するようになりました。

—— LIG の“仲間”という視点から派生して、LIG という組織の中で仕事をする強みについても教えていただけますか。

いろんなクリエイターが周りにいることは確実に刺激になります。さきほど話した通り LIG には3つの“柱”があって、それぞれに得手不得手も異なる、能力も個性も豊かなメンバーがいます。組織の強みはやはりそこだと思います。

自発的に勉強会を開くというのも LIG の特徴です。それも社外の人を巻き込むのが上手く、課題を共有しながら学ぶというスタイル。LIG のクリエイターは多彩だからこそ、お互いに学べることがたくさんあるんだと思います。

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