「ここで人生を賭けることを決めた」社員第一号が語る、不動産業界のDXに挑む理由 株式会社エアドア 花島 達郎 | 急成長企業を支援してきたマーケティング会社が厳選した急成長企業と出会える場所「LEAPLACE」 - LEAPLACE
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「ここで人生を賭けることを決めた」社員第一号が語る、不動産業界のDXに挑む理由
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「ここで人生を賭けることを決めた」社員第一号が語る、不動産業界のDXに挑む理由
株式会社エアドア
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近年、デジタルの力で、レガシーな業界の常識を変革するスタートアップに注目が集まる。不動産業界に新しい風を吹き入れるエアドアも、その一社。エアドアは、オンライン賃貸プラットフォーム「airdoor(エアドア)」を運営するスタートアップ。スマホやPCから都内を中心とした賃貸物件を検索でき「おとり物件」がないことが最大の特徴だ。サービス開始は2022年2月と新しいサービスながら、すでに提携管理会社は70社、管理戸数は150万戸を突破している。「ユーザーに対して不誠実な慣習を変えたい」と語る同社第一号社員でありビジネス開発マネージャーの花島達郎氏に、取り組む業界の課題や同社の強み、働く理由について聞いた。

使命は、嘘がない情報を届けること

――「airdoor(エアドア)」最大の特徴である「おとり物件がない」とは、どのような意味ですか。

お客様に対して、嘘のない情報がちゃんと載っている、という意味です。

そもそも「おとり物件」とは、不動産屋が集客目的のために利用する、実際には借りられない物件のこと。この部屋がいいなと思って問い合わせて店舗に行ってみたら、すでに借りられていた、という経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

私も社会人になりたての頃、一人暮らしの物件を3件問い合わせたら3件とも終わっていたのに、なぜか店舗に呼ばれて、はて?と思ったことがありました……(笑)

意図的に行うことはもちろん違法ですが、最近では成約済み物件のメンテナンスが追いつかず、掲載され続けているケースが増えており、世の中の情報取得がオンラインベースに移行してきたことで、業界における重要な問題の一つとなっております。

――なぜ、不動産業者と客との間に、情報の非対称性が起きてしまうのでしょうか?

これは、不動産業界に古くからある、アナログな慣習が関係しています。

例えば、あるオーナーさんの持つ物件が空室になったら地元の不動産屋さんに、「この部屋を埋めて欲しいんだよね」とお願いをするとします。

ところが、インターネットの無い時代には、店舗がある商圏のお客様しか集められません。そこで、少し離れたエリアの仲介会社さんに物件の掲載をお願いすることで、自分達の商圏外のお客様へ広告をしてもらっていた経緯があります。

その習慣が今も続いていて、元請け会社さんでインターネット広告が苦手、ないしは資金力がない場合、各地域の仲介店舗にタイムラグが生じたとしても集客の依頼をするという構造があるんです。

――そんな不健全な状態が続いているのはなぜでしょう。

業界全体でデジタル化が遅れているからだと思います。

街の一部の不動産会社様では、未だに顧客のリストを紙に書いて管理したり、家賃が入ってきたら通帳と睨めっこしながら確認する、といった昔ながらのやり方が当たり前に行われているんですね。だから、古いルールの一部もそのままになっている。

古くても良いものは残すべきだと思いますが、ユーザーに対して不誠実なものは変えていかなくてはなりません。エアドアは、そこを変えたいんです。

――具体的には、どう変えているのでしょうか。

airdoor上に掲載されている物件は、全て元請け会社様からのみに限っています。弊社の現在のキャッシュポイントは実際に取引が発生したタイミングが主で、仲介手数料をいただく場合は適正な値段で取引し最大無料のものも多くあります。こうしてステークホルダーにとってフェアな取引きを実現しています。

物件を掲載する企業側のメリットとしては、空室のある物件を無駄な広告費をかけずにエンドユーザーに対して宣伝し空室対策ができる点と、マッチング後の現地対応をエアドアのエコシステム内で受け持つ二点が評価いただいています。

そのため、おとり物件を使わずとも、ビジネスが成立しているところがユニークなところです。

この人なら絶対に成功する、そう思えた

――古いルールによって得をしている人も多いはず。煙たがられませんか?

おっしゃる通り、煙たがられています(笑)

このビジネスを始めた当初、不動産物件を管理する各社に伺った際に取り組みに賛同してくださる会社さんはかなり少数でした。7割以上の方からは、既存の業者とバッティングしちゃうからうまくいかないよ、そう言われることも多かったんです。

でも今は、私たちのやり方をいいね、と言ってくださる方々が徐々に増えてきており、ありがたいことに繁忙期にはリソースがパンク状態になることも。

それは物件を掲載いただける事業者様だけでなく、サービスを利用する一般のお客様も、私たちが解決したい課題に対して同じ問題意識を潜在的に持っていたのかなと感じられて嬉しく思っています。

――花島さんは前職では不動産テック企業の大手で営業職をされていたそうですね。なぜあえてスタートアップに?

業界が変わる瞬間に立ち会えると思ったからです。

たしかに前職は上場もしていたし、安定もしていました。営業チームのリーダーも任せてもらい非常に充実した気持ちでもありました。でも、入社から6年経った時にどうしても新しいことにチャレンジしたい気持ちになり転職を決断しました。そして実際に転職先は他業界のベンチャー企業2社に絞りました。

そんな時に、もともと前職で上司だった今の代表の鬼頭に進路を相談したところ、エアドアの事業構想を聞かされました。

メインのサービスすらまだローンチしていないタイミングでしたが、20代だったこともあり、自分がそれまで感じていた不動産業界の問題を解決する行動を起こすなら今しかないと直感的に感じ、志願することに決めました。

――条件ではなく、人で決めた、と。

はい。スタートアップの第一号社員になれる機会なんて人生で何度もないですし、それに鬼頭の性格をよく知っていたことも大きかったと思います。

彼は誰よりも熱くて義理堅く、絶対に諦めない性格。この人がやるんだったら絶対に成功するな、という確信みたいなものがあったので、ここに人生を賭けてみようと決めました。

なので、当時すでに自分の家族もいましたが、シード期のスタートアップという環境であっても飛び込むこと自体にあまり不安はありませんでしたね。

私は楽観的な性格ですし、周りの不動産会社の社長さんから厚い信頼を受けている鬼頭もいる。さらに、明確なビジョンもあったから大変な時期も乗り越えられたと思っています。

――今、どんな働きがいがありますか。

イチから商品が育つところを間近に見られるというのは、本当に面白いです。

前職ではBtoBの商売がメインだったのですが、今はBtoCのサービスなので、1個1個のアクションに対してエンドユーザーからダイレクトにリアクションが返ってくるのがすごく新鮮で楽しくて。

例えば、自分が獲得してきた物件情報をairdoorに掲載したら、翌日にはお客さまから問い合わせをいただき、内見後すぐに成約。アンケートを見てみたら、「こんな良いサービスがあるなんて知りませんでした」と。

もちろん逆のご意見も少なからずあるのですが、そういったことも含めて、今まで体験できなかった経験ができていて、それがやりがいであり働きがいになっているなと感じますね。

今は少数精鋭で風呂敷を広げるフェーズ

――現在、組織としてのエアドアは、どんな状況ですか。

サービスが順調に拡大している一方で、より速いスピードでビジネスを展開していくフェーズでもあります。そうした中でも、丁寧に着実に新しいお客様を開拓していく必要があるため、採用面での課題感は強いですね。

特に弊社のビジネスモデルの場合、どれだけ企業様から物件をプラットフォームに掲載していただけるかがカギになるので、そこを諦めずコミットし、変化も多い中でやっていける方がいると会社の成長度合いも段違いになると思っています。

――直近では資金調達も行われ、組織の変革期ですね。カルチャー面での特徴はありますか。

はい。頑張っている人をちゃんと称賛しようしようというのと、各々自分らしく楽しむ、の2点は組織にかなり浸透していますね。

前者は簡単なように見えて意外と難しいんです。例えば、誰かが何かをやってSlackで報告したらちゃんとスタッフで反応して、称え合うアクションを大事にする。

今はリモートで働くことが多いので、小さなコミュニケーションでもしっかりやらないと孤独を感じやすくなりますし、お互いの仕事の状況や心理的安全性を担保する上でも非常に大切なことです。どうしても業務に追われるとそれだけになってしまいますが、自分の気持ちを発信することも忘れたくないですね。

新しく入社される方には、ストレングスファインダーを必ずやってもらい、それぞれの価値観や強みを社内で共有し理解した上で働く点も大事にしています。

――ほかにはありますか。

あとは鬼頭が非常に家族思いなタイプでもあるので、家庭の事情に配慮してもらいながら働けるのはすごくいいなと思います。お子さんがいるメンバーも多いですし、私も今子供が2人います。今朝も保育園のお迎えに行ったり、このフェーズのスタートアップにしてはかなりワークライフバランスは取れていると感じます。

業務時間中はしっかりコミットして、それ以外も大事にする。当たり前のことですが、それを数人のスタートアップで実行し、柔軟な体制が敷かれている点はすごいことだし、感謝しています。

決まっていないことも楽しむ

――採用が課題だとお聞きしました。どんな人を求めていますか。

現場と経営レイヤー、どちらの要素も兼ね備えている方とお会いしたいですね。

現在の事業フェーズでは、組織の運営体制やキャッシュポイントの再検討など、事業を進めるためにいろいろなことを考え、実行していかなくてはなりません。

ある程度自分で考え、実行に移し、フィードバックできるところまで一緒にやっていける方だと一番嬉しいですし、そういう方だからこそ楽しんでもらえる環境があると思います。

――どんな状況でも楽しめる人は強いですね。

そうですね。私自身も常にそうありたいので、どのような時もいいところを見つけて、楽しむようにしています。

不動産業界は、他の業界と比較しても働いてる人の年齢が高く、レガシーな業界です。デジタル化もまだまだ進んでおらず、いろいろな課題が山積みのまま。その分、新しい事業で出来ることがたくさんありますし、少し変えただけでそれが本当にダイレクトに自分に返ってくる、そんなダイナミックさや面白さがここにはあると感じます。

いままでの不動産業界に疑問を持っている方であったり、エアドアを通じて業界変革に挑みたい方とお会いできたらとても嬉しいですね。

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